空想のモンスターを生み出すゲームデザイナーのフリアンは、同僚の誕生日パーティーで美術史を学ぶディアナに出会う。
誰にも言えない、自分だけの秘密を覗き見しているようなゾッとする体験。
モンスターを作る仕事を自宅でしているフリアンは、隣人の少年を救った日からある秘密を抱える。
具体的に描かれないその欲望は想像力を掻き立てるし、見てはいけないものを見ている落ち着かない感情に支配される。
静かで平坦な日々を描いているように見えるけれど、隠された個人的嗜好や秘密を映し出すことが映画を恐ろしいものにしている。
普通に見える人が裏で何をやってどんなことが好きかは分からない。
どれだけ親しくても、愛していてもどんな人かは分からないと言われているようで辛くもなる。
自分しか知らないし誰もいないからバレないだろう。そう思ってやったことがもしバレたら?考えるだけで怖くなるその展開に胸が痛くなった。
マジカル・ガールよりも派手さはなく起伏も少ないけれど、ラストの伏線回収と盛り上がり方が強烈。
これは自分でも死にたくなるなと思ってしまう後半と、ハッピーエンドなのか?と疑いたくなるような上手く出来たストーリーに心を掴まれた。