第35回東京国際映画祭
コンペティション「ライフ」
『ハーモニー・レッスン』(13)で鮮烈なデビューを飾ったカザフスタンの異才エミール・バイガジンの監督第5作。企業経営に失敗し、全てを失った男の彷徨を驚異的な映像で描き、人生の意味を問う作品。
一人の男の人生を鮮明に描いた長尺作品だったが、中々共感をもつことも難しく、終始カオスな内容だった。「人生は決して美しいことばかりではない」という意図は汲み取れたと思うが、中々話として難しかった。ただ、人の人生なんてそんなものなのかなとも思う。ありのままに一人の人間の人生を映したらこうなるのだろう。絶望や欲望など、また何年後かにもう一度見たら理解できるかもしれない。
社会のあり方、家族のあり方、男女間、差別など。決して綺麗な話ではなかったが改めてこの映画を見て深く考えさせられる時がくるかもしれない。
いやそう願う。
まだまだ自分は大人ではないな、。
文:まっきー