ルイまる子

カイマックのルイまる子のレビュー・感想・評価

カイマック(2022年製作の映画)
3.2
カイマックとはお菓子、またはクリームという意味だそう。美味しい所だけすくって食べる大人への皮肉も含まれているとのことでした。東京国際映画祭、丸の内TOEI(素晴らしい劇場でした!2階席まであり満員でした!)北マケドニアの映画監督で、過去に金獅子賞を取ったマンチェフスキー監督作品。二組の恋愛が同時進行するコメディで痛烈な批判も込めた大人の群像劇だ。面白かった。良かった点は、映像美、セックスシーンが多いのだが、全く嫌らしくなく兎に角美しい所、地中海らしくカラっと明るい。しかし日本人で、日頃から真面目くさった日々を送っているからか、一部の外国の方々がお腹抱えて笑っても自分には笑えなかった。それ以上に、常に根拠などを考えてしまう性質から、何故ここでこうなる?この人は何故こういう気持ちになったのか?などプロセスが抜けて件が気になり、色々ツッコミどころもあった。もう一度見なきゃダメかもしれないがひょっとしたら二度見た所で説明がない点は、最初から含まれてないのかもしれない(どうでもいい細かいところを気にするクセがあるのは多分こっちが悪いんだろう)。Q&Aで監督さん、美しい!女優さんお二人のお話が聞けて嬉しかった(一人はスクリーンの中では、市場のおばさんみたいな役なのに、実物の違いにビビる!美しいことったらない)。監督は流石に頭キレキレで、全て端的に答えて下さった。質問もなかなか鋭くて映画好きらしい質問者でgood job!
【ここからネタバレ】特に良かった質問は、流れ弾が当たり、殺された人、助かった人の違いはやはり監督のお考えによる原因があるのでしょうか?という質問だ。監督の答は、自分の考えではない。ストーリーの流れによりそういう結果が自然に展開した(物語側がそういう選択をした)みたいな答え方をされていて、流石だ〜物語の方が走り出すと勝手に結末まで決めて行くって素晴らしい映画づくりだ。良かった!
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