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山女のmuraのレビュー・感想・評価

山女(2022年製作の映画)
4.3
宮沢賢治の作品の世界のよう。

18世紀後半、東北の山村。日が照らず作物が育たず、飢餓に陥っている。なかでも伊兵衛家は、盗みをはたらいた祖父のために土地を取りあげられ、貧困にあえぐ。最下層に位置づけられ、死者の葬送などに従事する。娘・りんは遺体を女神がやどる聖山(早池峰山?)のふもとに運ぶなかで、山へのあこがれをいだくようになる。あるとき父・伊兵衛の盗みの罪を肩がわりし、村を離れて山に入る…

「人間」として生きるより「ヒト」として生きる方が幸せではないか…物語の舞台は江戸時代でありながら、現代の社会問題を描いている。確信的に。

単純なストーリーではあるが、民俗学的な知見も散りばめられていて、興味が引かれた。こういう話は冗長になるときついが、それも感じさせなかった。だから面白く見た。

最後の暗雲・雷雨ののちの聖山へ光が差す映像も美しかった。

しかし最近思うのは…『シン・仮面ライダー』でもそうだったが、森山未来が神々しすぎないかと…笑
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