地中海の島国で魔術を学んだ王マニフィコが毎月誰かの願いを叶えてくれるローザス王国。100歳を迎えた祖父サビノの願いを選んでもらおうと見習いの面接を受けるもそこで王から危険性のある願いは囚えられたままと聞かされて落胆する彼女が、星への願いで生まれた「スター」と人々の願いを取り戻そうとする様を描いたアニメ映画です。
1923年のディズニー・ブラザーズ・カートゥーン・スタジオの設立から100周年を記念して制作された作品で、これまでも多くの作品で繰り返し謳われてきたディズニーの一大テーマである「星に願いを」を受け継ぐ物語を『アナと雪の女王』の監督クリス・バックと脚本ジェニファー・リーらで描くも大喝采とはいかず賛否両論を集めました。
多様性とポリコレ時代のオキャクサマ達の矛盾する願いにがんじがらめのエンタメ界。極東のポップ歌手なら「願いよ叶え、そうなるように生きていけ」と突き放せても世界のディズニーはそうはいかず無難なお題目を物語にもアニメにも落し込めないままただ歌い語ります。きっと人々がすべきは国王の討伐でなく救済と開放だった一作です。
