『紅の豚』と森山周一郎さんのお声が好きなので気になって視聴。
本作は森山周一郎さんへのインタビューをメインとして、関わりのある方のインタビューが合間に挟まる構成。
生放送で洋ドラの吹き替えをしていたという今では考えられない声優業の歴史や、大塚周夫さんや野沢雅子さんらと共に所属していた劇団東芸のお話、ジャン・ギャバンや『刑事コジャック』のテリー・サバラスの吹き替えの裏話など、声優に興味のある人には非常に貴重なお話の数々を聞ける作品である。
※野沢雅子さんが別のテレビ番組で語っていたが、生放送での吹き替えは台詞が追いつかずに実際無音になったこともあったとか。
『紅の豚』が好きな人にとってはアテレコの裏話だけでなく、スクリーンで紅の豚の映像を見ることができるという点では本当に最高の作品だといえる。今や紅の豚を見る機会はテレビでの再放送かDVDくらいなので。
ただ、紅の豚以外の森山周一郎さんの出演作の映像が見れるのではないかと期待しながら見に行ったが、今作はインタビューや写真での紹介が主体で、出演作の映像は本編の1割にも満たない。
吹き替えの映像は権利関係で難しかったんだろうなと理解はできるものの、アニメやドラマ、映画と数多く出演されている方なので、もう少し出演作の映像を挟んでもよいのでは?と不満に思ってしまった。
(せめてLiLiCoさんは歌手時代のことをインタビューされているのだから、作品に採用された歌は流してほしかったなと)
本作はテレビの特集番組として放送されていたら食い気味で視聴するが、映画として満足できたかと聞かれると正直微妙…
森山周一郎さんが語る歴史を聞けるという点では非常に貴重な作品であることは間違いないが、映画代を払う価値があるかというと…うーん…どうかな…という感想でした。
最後に、本作の本筋とは全く関係ないが、未だ最前線で活動されているとはいえ、野沢雅子さんの滑舌の良さが印象的でした。