豆晴

福田村事件の豆晴のレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
4.1
好みでは無いけれど年に2度ほどはこういった作品に触れるようにしている。

石のように重くのしかかる作品でした。
『ガタカ』『パッドマン』
『ミシシッピーバーニング』
色々な国の色々な形の差別。
でも これは 日本の恥の話

「鮮人だったら殺してもええんか?」
「賤人だったら殺してもええんか!」

『マルモイ』でも書きましたが私には韓国籍の金山くんという友達がいました。
お金貸しを生業にしている親御さん(つまりお金がある)への当てつけもあり苛めの標的にされていました。仲が良かったので自分にもとばっちりがきました。韓国人と友達になるような子を家にあげたらいかんよと。
ウチのオカンは「そんなこと言う親の子と付き合わんでええ」と言ってくれました。
今でもオカンを誇りに思っています。
ウチの親父が身罷った時真っ先に見送りに来てくれたのは弟の友達でもあったヤンチャな彼等でした。
その心持ちの素晴らしさに泣けました。

国としての韓国は好きではありません。
しかしいい人も悪い人もいる
当たり前のことです

煽動者に引きずられる普通の人々が
一番恐ろしいと思わされました。

祖父は震災時には東京帝大法科を出たばかりで警察組織の一員として馬上から皇宮周辺の治安維持をした話しなどをよくしてくれたのですがこのようなことは一切教えてくれませんでした。

きっと見ている知っているのに

北京駐在時も万里の長城近くで人骨が散らばっている道を避けて通れなかった話し以外は一切聞けませんでした。

きっと見てるのに知ってるのに。

孫には言えなかったのでしょう

祖父の言葉で心に残っているのは
「意思なき行為は之を罰せず」

何とか棹さしたいのです。
この頃静かな 悪 意 を強く感じます

何処に行くのでしょうか
教えてくれませんか

石のように重く動かない自分で有りたい
豆晴

豆晴