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ゾンビ・サステナブルのkuuのレビュー・感想・評価

ゾンビ・サステナブル(2021年製作の映画)
3.6
『ゾンビ・サステナブル』
原題 Wyrmwood: Apocalypse
製作年 2021年上映時間 90分。
キア・ローチ=ターナー監督が、同作と同じ世界観で描いたオーストラリア製アクションホラー。
出演はルーク・マッケンジー、ジェイク・ライアン。
言及はされていないませんが、これは2014年の『ゾンビマックス!/怒りのデス・ゾンビ』の直接の続編見たいな感じでした。

人類のほとんどがゾンビと化した近未来のオーストラリア。
悪らつなボスに反旗を翻した兵士リースと反乱軍のメンバーたちは、ゾンビウイルス治療の鍵となる少女を救出するべく、危険な任務に身を投じる。

映画と続編映画の間に暫くの空白がある場合、続編は自己完結型のストーリーとして最もうまくいくかもしれない。
そうでない場合は、少なくとも観客を物事に引き戻し、簡単な復習をする必要があるかもしれない。
今作品はそのどちらでもなく、観客をいきなり深いところへ放り込み、前作が終わったところからすぐに再開させる。
問題は、誰が誰なのか、何が起こっているのか、なぜ起こっているのかを思い出すこと。
とは云え、たとえこの作品の直前に前作を観直していたとしても、この映画の混沌とした映像スタイルが物語のまとまりよりも優先され、ついていくのに必死になってしまうのではないかという疑念もある。
実際、個人的には途中早々に前作を思い出しつつ見ることをやめ、今作品のみ独立した作品として視聴しました。
前作2014年の『ゾンビマックス!/怒りのデス・ゾンビ』は、マッドマックスの雰囲気とゾンビ・アポカリプスをミックスしたオーストラリア産のハイブリッド作品で、先にも書いたように、前作ではローチェ・ターナー兄弟は、使い古されたゾンビ映画というサブジャンルに、善いか悪いか別として、熱狂的なエネルギーとアイデアを注ぎ込んだカルト映画の一つだったのは鮮明に覚えてはいる。
7年後、ローチ・ターナー兄弟が続編を引っ提げ戻ってきた。
って書いたとて、見てない方、また、見たけど覚えてない方がほとんどやとは思いますが、ゾンビに悩まされるオーストラリア奥地の風景を舞台に、勿論、ゾンビや気違いじみた生存者たちと戦うってのは今作品も同じです。
前作で彼らが書いたルールブックに忠実なアポカリプス(ユニークな小見出しを見つけるのは、クリエイティブ・チームの得意とするところではないだろうが、また、邦題をもうちょっと続編やでと分かりやすくしてたら注目度合いも高いんちゃうかな)は、錯乱した人物から完全にクレイジーな人物まで、まったく新しい登場人物たちと遭遇する中、血、内臓、ガソリン、罵り合いの台詞が飛び交い、キア・ローチ=ターナーとトリスタン・ローチ=ターナー兄弟が作り上げたこの世界に戻ってくるということで、前作のファンなら望んでいたものを与えてくれはしてるんちゃうかな。
勿論、ゾンビ映画好きの小生としても満足はしました。
ただ、前作を個人的にはマッドマックス見たいなゾンビ映画って感じしか覚えてませんが。。。
キア・ローチェ=ターナーは、『ゾンビマックス!/怒りのデス・ゾンビ』での出来事の後、ブルックとバリーが不安定な状況に置かれる中、ほとんど間を置かず、勢いよく幕を開ける、今作品は、ニュアンス豊かな映画とはほど遠い作品やけど、オーストラリア産のこのジャンル作品には、バカバカしい楽しみがたくさんあることは否定できない。 
今作品は、それが何であるか、誰のための作品であるかを受け入れ、観客が後悔することなく、この作品に乗ることを選ぶことができるような、気ままな気持ちで、真っ向勝負を挑んでいると云える。
2014年に公開された作品のような驚きやユニークさはなく、以前のゾンビ映画の再来といった感じで、登場人物たちが血と煙の中で輝く瞬間は少ないが、もしローチ・ターナー監督が再び自分たちの創り出した世界に戻り、結実する運命にあるような作品の最後を締めくくるのであれば、地元や遠くの多くの観客がオージー・ゾンビ・アクションの続きに飛び込みたくなるに違いない。
前作を楽しめなかった人が本作を気に入ることは少ないかもしれない。
今作品では、オーストラリアのゾンビ荒地を楽しむという、良くも悪くも同じことの繰り返しが描かれるとこは残念やったが、個人的にはそれなりに楽しめました。
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