ヒロ

白い決死隊のヒロのレビュー・感想・評価

白い決死隊(1954年製作の映画)
3.5
history、修正されたヒーローの歴史、そんないわゆる“歴史”に残らない名もなきパルチザンの救出劇。
ただでさえ危険な雪山、さらにナチの監視を掻い潜っての救出劇、自らの命を守るのも精一杯なはずなのになぜかついてくるワンコ。こいつ絶対やらかす、絶対やらかすとなぜかそっちの緊張感が生まれ、案の定、このワンコを起点にプロットが転がり始める始末。画的にも、ストーリー的にも特筆することはない。その上、かなりの寝不足で挑んだ今作を最後まで観れたのは紛れもなく冒頭の足切断シーンのおかげ。戦争モノによくあるこの手のシーンのセオリーは物資不足で麻酔ナシ、口には木製猿轡、看護師マウント、血塗れの床or切断面。今作は、たぶん麻酔ナシ、鳴り響くギシギシ音、目を伏せる周りの人間、敢えて見せない血&切断面、もぉめちゃめちゃ痛い。はずなのに、泣き叫びもせず鼻歌を歌いだす張本人。鼻歌!!!痛いのか笑かすのかどっち、みたいな強烈なシーンのおかげでお目目パッチリ。ナイスムンク。
長編処女作で雪山撮影とか地獄でしかない。

【新文芸坐シネマテークVol.18 アンジェイ・ムンク】
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