ねーね

あの頃輝いていたけれどのねーねのレビュー・感想・評価

あの頃輝いていたけれど(2022年製作の映画)
3.1
もうまさに「3.0」って感じの音楽ヒューマンドラマ。
ちょっと時間が空いた時に、晩酌しながら観るのにちょうどいい感じ。
90分しか尺がないからすべてがご都合主義な感じで展開していくけど、それもまた「みんなハッピーって最高じゃん!」って気持ちになれるのでヨシ。

かつては一世を風靡したけどいまはすっかり落ちぶれてしまった元スターと、自閉症を患いながらもドラムと音楽を愛する少年が出会い、互いの人生に新たな彩りと活力を見出していく。
ちょっとだけ社会の中心から外れてしまっている者同士が生み出す化学的な爆発力は、そのひたむきさゆえに一層グッとくるし、「夢と行動力があれば人は変われる」と思わせてくれる力がある。

スティーヴィーのママも言ってたことだが、「どうせ苦手、どうせできない」と決めつけることは、自分や周りの可能性をつぶしてしまう。
一度きりの人生、もっと自由にはじけて自己中心的に頑張ってみたって意外となんとかなるもんなのかもな、と勇気をもらえた。

正直ヴィンスの歌や曲がそこまで衝撃的に上手いわけでもないので、そりゃおちぶれるだろという感想だったんだけど、最後のライブやドラムセッションを見て「音楽は技術云々だけじゃなく、みんなで楽しむ気持ちこそが魔法みたいに最高の時間を生み出すんだ」と考え直した。
だとしても、元グループメイトのオースティンは絶滅危惧種レベルで良い人だと思う。

なんかこう、いかにも英国~~って感じの湿っぽい空気感がビンビンに伝わってくる画の暗さも好き。
ペッカムってどこやねん、って思って調べたら、まあまあロンドンのど真ん中の都会だった。
ネット情報によると今最もアツいトレンドスポットとして注目されている再開発エリアらしい。今度行ってみたい。(映画と関係ないどうでもいい情報)
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