敵対ギャングの調査と行方不明のクルド人捜索。
二つの依頼を受けたある探偵のハードボイルドドラマ。
今となっては珍しくなったタイプの映画。
渋くて重厚だけどどこか抜けた雰囲気が良い。
アクションは掴み合って力比べしたり不意打ちを使ったりするなど地味であんまりかっこよくはないが、代わりに泥臭さと生々しさがあってこれがリアルの喧嘩なんだと思わせる。
一件落着とは言い難い苦味のある結末も渋くてまさにハードボイルド。
こうゆう渋くも滑稽な映画は好きなので推したいところではあるが面白かったかと言われると微妙…
いろいろ話が進展するけど一つ一つの出来事がざっくりしていて、中には結構な大事件でもさらっと「こんな事があったよ」と一言で済まされたりとあまりにも淡々とし過ぎて事態が軽く見える。
難民問題と残留孤児を話に絡めているがやっぱり一言身の上話を語るだけで、彼らがそれでどのくらい苦しみどんな価値観を持ったかがいまいち伝わらないのも難点。
と言うかそもそも音質が悪く全体的にセリフがかなり聞き取りづらい…
80分とコンパクトにまとめているのは良かったけれど尺に対して事件を複雑にし過ぎた印象。
舞台挨拶では「是非続編を…」という話が出てたけどもういいかな…というのが正直なところ。
嫌いじゃないけど好きになるにはまだまだ要素が足りないそんな映画でした。