さすらいの旅人

バイオレント・ナイトのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)
3.6
★劇中のクリスマスプレゼントに「ダイハード」DVDは笑わせる
【VOD/WOWOWオンデマンド/配信視聴/ビスタサイズ】

クリスマス映画なのに本年2月公開はタイミングを逸して損をしている。

主人公は魔法を使えるサンタであるが、酒飲みのオッサンと言うところがミソと言える。暴漢との肉弾戦となると傷を負うし血も流すので普通の人間に近い。アクション映画であるが、ファンタジー映画の要素を持っている所が面白い。似た様な映画で昔「バットサンタ」と言う映画があったが、あれは聖夜だけの泥棒人間サンタで本作の主人公とは全く違う。

他のレビューでも指摘があったが「ダイハード」「ホームアローン」のオマージュが全編に溢れていた。聖夜に富豪一家の豪邸に降り立ち、現金を強奪しようとする悪党一味と運悪く鉢合わせてしまうのはまるでダイハード。富豪家族の少女が悪党一味に仕掛ける子供らしいイタズラはホームアーロンとほぼ同じだ。往年の映画ファンは懐かしくてニンマリし、知らない世代は新鮮に感じるだろう。

この映画の残念な所はグロが強すぎることだ。そのためR-15となり子供達は鑑賞できないところが難点だ。一応コメディーなのでもう少し表現を抑えて、お茶の間でも安心して観られるようにすれば、もっと人気が出ると思う。まあ、主人公の過去の人物像を考えると致し方ないかも知れないが…。

続編も検討されているらしいので次はぜひクリスマスシーズンに公開を期待する。