ヘンダーソン

クリント・イーストウッド:シネマティック・レガシーのヘンダーソンのレビュー・感想・評価

3.3
過去の作品群を具合的に参照することで、イーストウッドの監督としての出自や特異さがわかりやすく示される。
なので、彼の作品が観たくなる。

このドキュメンタリー内でも言及されているように、イーストウッドの作品はカメレオンのように様々だ。得意なスタイルを追求するよりも、撮りたい題材への好奇心が勝るのだろう。

自分の感情や意見を押し付けずに観客に委ねるスタイルは確かに珍しいし、俳優ファーストな撮り方も興味深く感じた。

ただ、イーストウッドがアメリカの無口なタフな男像の象徴であるという言及や西部劇に並々ならぬ愛着をもっていること、そしてインタビュー内容を見ていてふと思ったのが、この人は所謂バイブルベルトの共和党支持者の権化のような人間ではないかということ。
調べたら、やはりオバマを批判したりトランプ支持を明言したり。
そう考えると、愛国心溢れるタフな男を主人公に添える作品群にも全て納得がいく。ちょっとガッカリした。まぁ昔の男だもんな。