さすらいの旅人

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

3.0
●大丈夫。何とかなる…
【VOD/Amazon Prime/配信視聴/シネスコサイズ】

「ミッドナイトスワン」の内田英治と「岬の少女」の片山慎三が共同で監督した異色作。
基本はSFファンタジーだが、歌舞伎町を舞台にした人間ドラマが色々なエピソードとして描かれる。独特の雰囲気がありその世界観は決して悪くはない。

まず探偵マリコについての描写が魅力がなく残念であった。例えば同じ東映の「探偵はBERにいる」シリーズは大泉洋や周囲の人物が個性的で面白かったが、マリコについては普通の女主人公でありキレキレの推理力は全くない。要するに探偵としての魅力が無いのだ。

そして、各エピソードが独立タイプで関連性が薄くバラバラなのが気になった。トータルでアッと言わせるようであればいいのだがそれもない。最初と最後はSFファンタジーなのだがスピルバーグ色が強すぎて、これではオマージュ映画だよ。どこかのレビューサイトで、この映画は「煮詰まってないごった煮のよう」と批評していたが的を得ている。伊藤沙莉をはじめ癖のある役者たちも生煮えで無駄遣いであった。

辛口レビューで申し訳ないが、個人的に共同監督作品は難しいと思う。個性のぶつかり合いであれば問題ないが、それが全く感じられない作品になっていた。