「私は愛されたいだけなの」
軽快な音楽とポップな画
多幸感溢れるオープニングにレトロなフォントのタイトル
このシリーズ独特のこだわりを感じる
心地よさばかりじゃないワニの捕食
それさえも一貫した世界観の構築に他ならない
そしてそんなこのシリーズを私はやっぱり愛せなかった
愛せないのだから、愛されない
それは至極真っ当な答え
前作の前日譚を描く作品
バックボーンを掘り下げることに何の批判もない
シリアルキラーの行動原理には興味津々なので、エンタメに乗って理に適った説明がされれば万々歳だった
しかし……
人を殺めること、生物を殺めることへ対する葛藤はないんだね…
そこを掘り下げることがバックボーンを描く意義だと個人的には思うので、何のための前日譚だったんだろうという思いは拭えなかった
倫理観のハードルが合っているのであれば、多少感情移入はできるのだろうが
最初からズレているんであれば
前作のようなシュールな殺戮劇に終始していれば良い
家から出れない、夢が叶わない
そんな理由は取ってつけたもので、結局生まれ持ったものなんでしょとなる
リアルといえばリアルなのかもしれないが、フィクションエンタメのシリアルキラー誕生物語でそれは求められるのだろうか
正直、面白味を感じられない
エンドクレジット中に映るミア・ゴスの泣き笑いだけが心に残った
彼女は紛れもないXファクターなんでしょう
