ベルギーのブリュッセルにある、Molenbeek(テロ街と呼ばれており、ムスリムが多い)に住む、移民家族のドキュメンタリー。
AatosとAmine、信じるものや価値観は異なるが、親友でとても仲良し。作品は、この二人の日常を中心に描かれている。
とにかく素朴な二人が可愛らしかった!宗教の対立、教育、哲学など現代社会における問題が、子どもの視点を通じ、よく描かれていた。
Aatosエイトス
フィンランド人の男の子。現地の学校へ通う。"神の存在"に興味がある。ギリシャ神話に憧れ、ポセイドンやエルメスのコスチュームが好き。Amineのように、自分にも神がほしいと願う。
Amineアミン
モロッコ人の男の子。ムスリム家庭で育つ。イスラム教の学校へ通い、アッラーを信じている。
以下ストーリーに触れるためご注意を
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ひたすら無邪気に遊ぶ子ども達の愛らしさ。
そんな中でも、子どもが「キリストは神の子か?」「神はいるのか?」「死んだらどうなるの?」といった疑問を自然に口にし、考えを言い合う姿がよかった。
「神なんていないのに皆いると信じるから、人はcrazyになるのよ!」「本質を見極めないと」と言う女の子の鋭さがすごい。
その一方で、現実の大人社会では、ムスリムや市民による、それぞれの立場でデモが行われている。
テロの攻撃が起きれば、街には戦車が出動し、犠牲者を弔うロウソクが道端に置かれ、交通機関が止まる。
悪ふざけをしたり、戦いごっこで傷つきを再演し、解放するAatosとAmine。
一見無邪気な遊びに見えるが、子ども達のトラウマ体験を想像すると切なかった。
ラストも素晴らしかった。それぞれの未来が明るいものであってほしい。
(邦題はもう少し違うものがよかったかも…)