kissenger800

ウーマン・キング 無敵の女戦士たちのkissenger800のレビュー・感想・評価

-
思ったこと。

- ダホメ王国が主たる取扱商品を奴隷からパームオイルなどにシフトしていく背景には「人権とか考えたら奴隷売買とか無理だったわ」って顧客である欧米国家の(突然の)意識変革に負うところが大きいわけですけれど、技能実習制度なんて無理っす。って本邦の遅ればせながらの動きの「遅れ」200年はなかなかの規模

- ここ数か月、Z世代と話す機会が会社で増えているんですけど(女性が女性というだけでなにがしかのハンデを負って走らされるサラリーマン競争への見解が比較的自分たちに近いおっさん。という認定に拠ります、たぶん)この作品を見ながら思い浮かべたのも「分からない」連中ではなく、若いひとたちの顔でした

- それでいうと女性が女性ってだけで受けるハズカシメを「無かったこと」にはしない、そうした刻印によっても奪われない尊厳について。『ハンナ・ギャズビーのナネット』(2018)、そういう作品だったよね。系譜としては同じですね、本作

-ヴィオラ・デイヴィスだってそら『ブラックパンサー』(2018)に出たかったろうと思うんです。デンゼル・ワシントンにもチャンスあるそうだから(マイケル・B・ジョーダンがそんなようなことを言ってた)諦めることはないと思うんで、つまりこれ、結果的に私やれますけどプロモーションになってませんか

- ドーラ・ミラージュをスクリーンで見た瞬間、ああたしかこれ元ネタあるよね。ってなった勢なので、その原型を見せてもらったんだからもうちょっと感心してもよさそうなのがそうはならなかった最大の要因、実は音楽かも。本作の音楽が悪いとは言わないんですが、ブラパンに費やされた時間と才能にはさすがに及んでいない(詳しくはD+のドキュメンタリー『ボイス・ライジング:ミュージック・オブ・ワカンダ・フォーエバー』2023を是非)

総じて悪くない作品なんですが、いかんせんオコエもアヨもシュリもナキアもいるユニバース、カバーしている領域が広いのよ。あっちに居なくてこっちに居るの、宦官ぐらいだな。……いないよね、ワカンダにはね。
本タイトルが制作できるようになったのはあっちのメガヒットのおかげなんだけど、いざ完成したら二番煎じに見えてしまう。という悲喜こもごも。
kissenger800

kissenger800