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そばかすのmuraのレビュー・感想・評価

そばかす(2022年製作の映画)
4.2
似た話が最近テレビドラマであったなと。『今夜すきやきだよ』か。「恋愛」というものに違和感を覚えるひとがいて、逆にそれに違和感を覚えるひともいて、その価値観がぶつかるという、やはりここでも「多様性」がテーマとなる。

蘇畑佳純(そばたかすみ)は、音楽大学に進学してチェロをひいていたが挫折し、今はコールセンターで働く。「どんな男が好み?」「なぜ結婚しない?」…まわりが話すのは恋愛と結婚のことばかり。でも佳純は恋愛にまったく興味が持てないでいた。こういったなかで佳純は保育園に転職、さらに同級生のマホと出会い、意気投合する…といった話。

マホは元AV女優、その父は政治家。佳純の父はうつ病、友人はゲイ。なかなか「多様」な人たちが集まる。少し盛り込みすぎている感もあるが、それだけ映画に込めた思いも強いのだろう。

そのなかで佳純が作った紙芝居「シンデレラ」は、やはり心に響くものがあった。

そして最後の結婚式でのチェロの演奏シーンは、ワンカットで緊張感あるものに仕上がっていて、感心した。なかなか見ごたえのあるカメラワーク。素晴らしかった。
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