滝和也

イチケイのカラスの滝和也のレビュー・感想・評価

イチケイのカラス(2023年製作の映画)
3.5
法は万全ではない
法からこぼれ落ちるモノ

昨今では禁止しても
追いつかない薬物…
時効で消えていく犯罪…
そして多くが望まない
真実もそれだろう…

「イチケイのカラス」

黒木華と竹野内豊主演の個性派判事が活躍する裁判劇のテレビドラマの映画化作品。テレビドラマに関してはオカミさんに付き合い何話か見た程度故にあまり理解していない所からスタート。

坂間判事(黒木華)は義務により、弁護士として日尾美という小さな町で事務所を構えていた。裁判自体がない!様な街でやっとありついた仕事(交通事故)を月本(斎藤工)という弁護士に抜かれそうになる。一緒に仕事をすることになった月本は坂間に仕事の手伝いをお願いしてくる。それは町をささえる大工場の問題だった。その頃、隣町に赴任した入間(竹野内豊)判事は地元船とイージス艦が衝突した事件で起きた傷害事件に乗り出していた…。

ドラマの後を描いた作品だが…この脚本…悪くない。恐らくはドラマとは違うのだろうが。よくある話ではあるのだが、日本という構図をよくわかっている。日本は巨大な企業集合体であり、政治より企業…。そんな所を上手く視点を変えて謳っている。

そんな所からだが…やや、最近見た作品にミステリー構図が似ており、しかも出演者が一部被ってる(笑)どの作品かと言うと無粋なので、敢えて言わないが…主題は違えど◯ぐるみというか…(笑)故に主犯がすぐ分かっちゃったのがミステリーとして難か…。

また産業が偏り、それに依存した社会では…官民共に根腐れの様な事は起こりがち…。まぁ…漁業協同組合が水揚げされたカツオを何十トンも年間に、かすめとり、それが10年以上も続きという町があったわけで…。それを思い出しましたね…。町や町にあった企業は潤い…知っていた奴も多かったはずなのに…。故にこの話全然有り得る話なんですよね…。まぁおらが街に高速道路を引いてくれた…みたいなモノの見方しか政治家に対しての評価ができないこの国では…ですし。

出演者の豪華さが後は見どころかなぁ。ゲストの斎藤工は主演並だし…(笑)向井理も硬い敵役が似合います。この真面目な感じがパリピ孔明に似合いなんだと。田中みな実が良い役だし…。泣きっぱだけど。更に宮藤官九郎に尾上菊之助と…元から豪華なメンツに華を添える。西野七瀬や柄本時生くんら若手も…。

正義と真実は果たして幸せをもたらすのか…。田舎町でジャスティスぶりを発揮する黒木華ちゃんの怒り顔が印象的な作品。まぁお暇な時にでも。
滝和也

滝和也