ぴよこ

サブライム 初恋の歌のぴよこのレビュー・感想・評価

サブライム 初恋の歌(2022年製作の映画)
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自分と重ね合わせて、完全にBADに入りました。お疲れ様です。

バンドをほんのりさらっとやってた身としては、スタジオの中の会話がリアルだったり、ベースという楽器が曲の中でどんな役割・立ち位置にあるか、そしてベースの不在の描写がしっかり描かれていて、大変よかったです。ベースがいなくてもバンドは成立するし、ギターで低音補おうとするし、でも(もともとベースがある曲にベースがない場合の)音の厚みは全く違いますよね。主人公がベースの設定である理由がしっかりあります。
あと、ステージの上の高揚感と性の高揚感は確かに似ているかもしれません。ドラムやベースの低音は心臓に響き渡って自らの鼓動と勘違いさせ、ボーカルやギターのメロディラインがノって動きを作り、観客の声や視線、メンバーの高揚感が回り回って私をハイにさせるから、、

異性の出現による同性愛への気づきは作品の中でよくある描写ではありますが、はっきりとした拒絶から入るのではなく、無意識のうちの柔らかな違和感や、相手が異性と付き合う時の自分でも気づけず抑えきれない衝動が、丁寧に綴られていました。その点で、邦訳の「初恋」はしっくりきています。最後のシーンでは、自分に一方的に裏切られたように思いましたが(完全に感情移入して同情していたから)、幸せになってね、と。私からは以上です。
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