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ブロンドのkuuのレビュー・感想・評価

ブロンド(2022年製作の映画)
4.0
『ブロンド』
原題 Blonde.
製作年2022年。上映時間167分。
アナ・デ・アルマスを主演に迎えたマリリン・モンローの新たな伝記的映画。
(アナ・デ・アルマスの愛犬エルヴィスは、マリリンの愛犬役で出演しています🐶)
ジョイス・キャロル・オーツのベストセラー小説を原作とした本作は、ノーマ・ジーン・ベイカーとしての生い立ちから、マリリン・モンローとしてハリウッドのスターダムにのし上がり、男性遍歴を重ねた生涯を大胆に描く。
ジョイス・キャロル・オーツによる2000年の小説を原作としていますが、これはマリリン・モンローの生涯から着想を得たフィクションであり、実際の伝記ではないと、オーツは、この小説は伝記と見なすべきでないフィクションであると主張しています。
オーツは、たまにアンドリュー・ドミニク監督から連絡が入るものの、この映画の製作には何も関わっておらず、ほぼ最終的なカットを渡されたという。
この小説は以前、2部作のミニシリーズとして映画化されたことがある。『Blonde』(2001年)、モンロー役はポピー・モンゴメリー。

監督兼脚本を務めるのは、『ジャッキー・コーガン』(2012)のアンドリュー・ドミニク。
マリリンの元夫アーサー・ミラーとジョー・ディマジオを、エイドリアン・ブロディとボビー・カナヴェイルがそれぞれ演じるほか、ジュリアンヌ・ニコルソン、ゼイヴィア・サミュエル、エヴァン・ウィリアムズらが出演する。

父親を知らずに育った内気な少女ノーマ・ジーンは、母親が心を病んだことにより里子に出され、孤児院生活も強いられる。
だが早くから男の目を引きつける魅力に溢れた彼女は、十六歳で最初の結婚をして以来、数えきれない男性遍歴を重ねつつ、映画スターへの道を歩き始めた。

今日、運転免許証の更新にいってきた。
待ち時間、アメリカの方と出会い映画の話に花咲いた。
そんでもって、その方は今作品を即観られたそうで話を聴いたら、性的な描写が露骨に描きすぎてると少し怒ってた。
故人たるマリリンの卑しめてると。
小生も帰宅し急ぎ視聴してみました。
今作品は、基本的にはマリリン・モンローの栄枯盛衰を見せてました。
マリリンが耐えたものを単に見せるのではなく、これまでの映画作品にはほとんどなかった方法で描いてた。
だからこそ、今作品には、バラバラになりそうな多くの要素が渦巻いていると云える。
今作品を高揚させるに十分なまとまりを持ってましたとは思います。
例えば、明確な目的もなくアスペクト比を変えたり、白黒からカラーに変えたりするのは、文章にしてみると邪魔な方法に思われるが、しかし、その理由はよくわからないが、単純な感覚では得られないほどの美的体験が得られました。
今作品は一見、混沌とした映画に見えるかもしれないが、演出はタイトで統制が取れていると個人的に思う。
今作品のような映画では、主役の演技力がなければ、すべてが無駄になる。
ありがたいことに、モンロー役のアナ・デ・アルマスは巧みで、絶望的で大げさな印象を与えることなく、彼女の苦境に巧みに入り込んでいるが、個人的には小生も露骨な性描写は無くても今作品は描けるんじゃないかとは思う。
もしこれが、野郎へのサービスならハッキリいらないし腹立ちもでる。
それにここまで描いといてエンドロール後の
If you or someone you know is struggling. information and resources are available
www.wannatalkaboutit.com
と云うテロップは取ってつけたような気もしなでない。
でもまぁ低俗なものと観ないで、純粋に映画を観たらアナ・デ・アルマスは笑顔の中に徐々に痛みを隠していきながら、感情的でありながら現実的であることを巧みに表現していました。
彼女のアクセントはモンローのようには聞こえないが、その必要はなかった。
デ・アルマスは、モンローの精神そのものを表現しており、これこそが今作品の醍醐味かな。
今作品で良かったのはアナ・デ・アルマスだけではない。
エイドリアン・ブロディが演じたアーサー・ミラーは、皮肉屋でありながら根は優しく、この組み合わせは陳腐に聞こえるけど、非常に地に足がついていて良かった。
ジュリアン・ニコルソンは、モンローの動揺した母ちゃんという難しい役どころで、一歩間違えればヘンテコな状態になってしまうところやけど、
しかし、彼女が画面に登場するのはほんの数分にもかかわらず、その大役は映画の残りの時間を通して心にしみる影を残してました。
モンローが主役であることは間違いないけど、彼女を支える脇役陣の実力は素晴らしかった。
しかし、正直、『ブロンド』で視聴者に何を伝えようとしているのか、アナ・デ・アルマスの濡れ場が必要やったのかわからないし、亡くなってなお性遍歴を露骨に描くのはどうなんかわからない。
小生が愚鈍ゆえやとは思うが。
アイデンティティの分離と分裂、ハリウッドの黄金時代とされる時代の非人間性、それか、単にフィクションのノーマ・ジーンの苦境を記録なんか。
しかし、今作品の世界、キャラ、雰囲気に完全にのめり込んでしまい、理解を進めてない責任は小生自身にあり、再鑑賞することで今作品の理由は少しでも知ることができるのかな。
3時間近い長尺の映画でありながら、なぜここまで引き込まれるのか、妥協がなく、感情を揺さぶられ、恐怖さえ感じるが、最初の一コマから最後の一コマまで、まったくもって美しかったからです。

余談ながらブラッド・ピットはこの映画のプロデューサーの一人だそうだ。
今作品では、マリリン・モンローがハリウッドの重役から、そしてその後、恋愛相手から虐待を受ける様子が描かれています。
偶然にも、ピットは2017年に暴露される数十年前から、ハリウッドの元プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ疑惑を知っていたそうです。
ピットはグウィネス・パルトロウと交際していたが(1994年から1997年まで)、彼女はピットと交際していた1990年代にワインスタインからセクハラを受けたと告発し、パルトロウはそれが起こったときに彼に話したので知っていたと。
2018年5月23日にハワードスターン・ショーで彼女が語った。
2004年に出版された『Down and Dirty Pictures』の『Miramax, Sundance, and the Rise of Independent Film』(ワインスタインは残忍で暴力的な男でありながら、ハリウッドのあらゆる人々を魅了することができたと描かれている)で著者ピーター・ビスキンドは2017年10月に、2001年のヴァニティ・フェアでブラッド・ピットを取材中にこの事件を知ったが、ピットがオフレコだったため記事で触れられなかったと語っている。
『彼は私にテープレコーダーを切らせたが、彼はグウィネス・パルトロウに云い寄られたにもかかわらず、ハーヴェイが好きだと云った』とビスキンドは語っている。
ピットは2016年までアンジェリーナ・ジョリーとも結婚していたが(彼女との間には6人の子供がおり、12年間交際していた)、彼女もキャリア初期にワインスタインからセクハラを受けたと告発している。
2009年、ピットはワインスタインが製作し、ワインスタイン・カンパニーが配給した『イングロリアス・バスターズ』(2009)に主演し、数年後、ワインスタインに接触して『ブロンド』の監督アンドリュー・ドミニクが監督した映画『ジャッキー・コーガン』(2012)の製作を依頼した。
ジョリーは2021年9月4日付のガーディアン紙のインタビューで、そのことでピットと喧嘩したが、それでも彼はとにかくワインスタインに映画の製作を依頼したと語り、ジョリーはピットが暴行を受けたと知りながらもワインスタインと喜んで仕事をしたことに傷ついたと語っている。
ジョリーは嫌がらせを受けた後、ワインスタインとは仕事をせず、ピットの『ジャッキー・コーガン』のプロモーションイベントにも出席しないようになった。
ジョリーとの別居後、ピットはワインスタインの元弁護士でPRフィクサーの戦略家、マシュー・ヒルツィクを雇い、2004年にニューヨーク・タイムズが発表したワインスタインの暴露記事を潰すのに一役買った。
ジョリーはピットを家庭内暴力で訴えたこともある。
まぁ花ある夢の世界も嘘か信かわからないけが、真実なら糞。
今作品の原作にも、現実には信じがたい生々しいレイプシーンが含まれており、歴史学者やマリリン・モンローのファンから賛否両論ある。
注目すべきは、小説の冒頭で、この本が伝記として読まれることを意図していないことを説明する免責事項があり、事実関係を意図したものが掲載されていることである。
一方、アンドリュー・ドミニク監督は、映画で見せたレイプシーンが現実のマリリンに起こったことではないことを明らかにしなかった。
2022年9月のAVクラブのインタビューで、ジョイス・キャロル・オーツは、今作品はモンローを描いた他の映画よりも実際に体験したことに近いだろうと主張した。
反民主党なんかな。
ケネディがまさかあんなことを強要してたなんて信じがたいが。。。
"彼女の人生の最後の数日間は残酷だった"
"マリリン・モンローに実際に起こったことは、映画の中のどんなことよりもずっと悪い "
と、オーツは語っている。
彼女の主張を裏付ける証拠は何もないにもかかわらず。
オーツの小説は、モンローはジョン・F・ケネディの狙撃手に殺されたとも書いているが、これも根拠のない説。
そのケネディ暗殺はオズワルド単独犯説だけは間違いなく違うやろけど。
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