極楽蝶

悪女の季節の極楽蝶のレビュー・感想・評価

悪女の季節(1958年製作の映画)
4.5
ブラックコメディの傑作! 主要な登場人物の金への執着心が喜劇を生み、笑える! エンディングは、ちょっとなぁ、と感じることもあるけど、渋谷実監督やりますねぇ(笑)
この作品の見どころは、何と言っても八代演じる東野英治郎さんと妙子を演じる山田五十鈴さんの役作りの素晴らしさ! いつも銀色に光る小型のアタッシュケースを離さないケチん坊の資産家・八代と三流芸者上がりの妙子とのやり取り、駆け引きは見事! それでいて、山田五十鈴さんの美しさにはうっとりしますねぇ! 地味だけど八代の家のお手伝いの婆さん演じる三好栄子さんのボケ加減も良いですねぇ(笑)
ラスト近くに、八代と妙子らが別荘のある浅間山に行く場面があるけれど、山道は舗装されてなく、車がすれ違うのも大変そうな細道であるのは興味深いですねぇ。当時はこんな道だったんだと思いました。それから、その道の途中で事故を起こし、死んだ若い男女の遺体の周りで、ギターを弾きながら、二人は幸せだぁ、と仲間が言うシーンは公開当時はショッキングだったんじゃないかなぁ。
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