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東京の宿のryusanのレビュー・感想・評価

東京の宿(1935年製作の映画)
3.7
名匠・小津安二郎監督のサイレント白黒時代の作品です。

やもめの喜八は今日も二人の子供を連れながら職を探して東京の街を彷徨う。
そんな時に同じ木賃宿に寝泊まりする似た境遇の女おたかに恋をする。
生活費も底をつく頃、昔の知合いの女おつねの紹介で何とか職と宿を得る。
しかしおたかの娘が重い病気にかかり沢山の治療費が要るのを知った喜八はいけない事と分かりながら盗みに手を出す。
そして息子二人をおつねに託し、喜八は自首するのだった。

映画は葛藤で面白くなる。
戦後の映画には正真正銘の貧乏が葛藤の映画がたくさんありました。
今は格差社会と言われながらも十分豊かな日本では、貧乏を描いてもそれは単に設定やギャグでしょう。日本ではもう真の貧乏という葛藤は描けないのでしょうか?
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