メイマーツインズ

ヴィレッジのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
3.0
《この世界の中で、今。》

”新聞記者〟”ヤクザと家族 The Family 〟の藤井道人監督作品。
前回レビューの藤井道人プロデュースドラマ”ムショぼけ〟の流れで。
Netflixにて。


閉鎖的な村に建設された最終ゴミ処分場を舞台に描かれる”人間の業〟。

藤井道人監督作品は、テーマ性もありながら芸術性も兼ね備えているという特徴がある。
本作でも村の神秘性を表現するために能楽を取り入れている。
ただ残念なことに、彼の作品は本作もそうだけど終盤の展開がドラマティックすぎて徐々にリアリティが薄くなる傾向がある。
エンタメ映画ではないのだから、もう少し抑えた脚本の方が芸術性がより生きるのではないか。

主役を演じる横浜流星の迫真の演技はたしかに光っているし、彼を取り巻くキャスト陣も実力派ばかり。
それだけに終盤になるほど大味になる展開は役者の演技が浮いているように感じてしまうのだ。
”犬神家の一族〟のようなミステリアスな空気感をイメージしていただけに、中途半端さが残る。

映画監督としての藤井道人は超一流なだけに、脚本は任せ、監督業に専念してもらいたい…
彼の脚本作品を観るたびにそう思わされます…🤔