二瓶ちゃん

こどもかいぎの二瓶ちゃんのレビュー・感想・評価

こどもかいぎ(2022年製作の映画)
4.8
ライオンゲームをしたかったのと、みそラーメンいっぱい食べるために生まれてきたので鑑賞。

グリコ。

ゴダイゴのビューティフルネームが耳に優しい。
題通りの「こどもかいぎ」だけに及ばず、一つの年長の子供たち及びこども園の1年間を追ったドキュメンタリー。

題材が非常にプライバシーなのできっとこれは劇場公開だけなのではないか。気になっている「14歳の栞」と同様かも。

危険を恐れない言い方をすると、子供たちは思考の型が定まっていないこともあり場面によっては支離滅裂な言動を繰り返しているとも言えるが、それと逆なことも言えて、自由な発想からは大人と同等、または大人の思考をも凌駕する場面すらあって、会場は驚きの笑いの繰り返しだったように思う。こういう映画を見る時にいる観客が、自分が笑うことで周りの笑いを誘発させようとする雰囲気はいただけないが、まぁ温和な空気であったということでよしとしよう。

こどもに対しての理解を深めるためにこの映画を見るのもいいだろうし、自身の幼少期の記憶を蘇らせるためにこの映画を見てしまうのも良いと思う。

まぁただし賛否ありそうなのはいわゆる感動ポルノに終わってしまったところ。ただしうるうるしたので私の本能は賛と評価。

エンドロールでの斬新な婚活の手法に脱帽。

エンドロール後にもあったように、具体的な個人名についての言及は避ける。
それをもとに印象的なことを連ねておくと、あの話が長い子は政治家になりそうだと思ったし、ああいう話し方をしていた子は小学校の時にいた。
トラブルを起こして気を遣って友人と関わるこどもにはその「社会」への順応具合に驚いた。

まぁ結果として1番残ったことは、ある女の子が言った、「人の話を聞かないことが争いにつながる」という一件かな。

「こどもかいぎ」だけが内容ではなかった。作る言葉とは裏腹に少しだけ無機物さを孕んだ糸井重里のナレーションが聞きやすかったし、90分未満のドキュメンタリー映画にして鑑賞後に残される余韻が大きかったと思う、ゆえにこの評価。