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聖地には蜘蛛が巣を張るのblackkazoomaのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.0
「売り」は断ずるのに
「買う」は知らんぷりですか?そうですか

◆あらすじ 【公式より抜粋】
聖地マシュハドで起きた娼婦連続殺人事件。「街を浄化する」という犯行声明のもと殺人を繰り返す“スパイダー・キラー”に街は震撼していた。だが一部の市民は犯人を英雄視していく。女性ジャーナリストのラヒミは危険を顧みずに果敢に事件を追う。

私がこれまでに観慣れた欧米やアジアの「連続殺人もの」映画作品と違い、舞台がイランというだけでこうも新鮮な見え方になるのかと驚嘆。

アリ・アッバシ監督はイラン出身でこの事件の犯人を一部の市民や保守派メディアが英雄として称え始めたのを知って、この出来事を基に映画を作ろうと思ったそうです。

犯人役を演じたメフディ・バジェスタニさんが我が子に対してキレるシーンがなかなかの名演で、もう「そういう人」にしか見えないw
あと、サイードが降っていない雨を掌に受けるシーンが秀逸!コイツには自分の行いがそう見えているのかと・・・

ポスタービジュアルにもなってる「恰幅の良い」娼婦役の方も強烈でしたね。笑っちゃいけないんだろうけど、本作の中で唯一、一瞬だけ笑えるキャラクターでした。

子役も巧かったし可愛かった。特にサイードの長男役の子は健気な分、ラストシーンは怖かった。そんな思想は受け継がなくていい!

最初の犯行が行われる部屋のテレビに911の中継映像が流れてるのが意味深なのでした~


◆覚書
・「ヒジャブ」 アラビア語の「隠す」から派生した語で、ムスリマ(女性のイスラム教徒)が頭や身体をおおう衣類のこと。
・「聖地マシュハド」 イラン北東部にあるラザヴィー・ホラーサーン州の州都で、イスラム教シーア派における聖廟都市(聖地 )の一つである。
・「バシジ」 イランのイスラム組織。「動員」の意味で,1979年のイスラム革命直後,指導部の親衛隊「革命防衛隊」につながる民兵組織として発足。
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