とても難しい。
これは、映画の解釈ではなく、この年代の子どもたちの心のこと。
「セクシャリティ」という言葉の概念に当て嵌めること、これがどんなに愚かなことか。
どちらでもあって、どちらでもない。
自分たちにだってわからない。
混じりっ気がなく、とても純粋で、
純粋なんだけど、他者のことが大きく影響し、
時には無垢な悪意を向ける。
寄り添い、遠ざけ、でも、依存する。
難解で、それでいて“close”な人間関係を作り出す。
誰も悪くない。誰も。
そんな、繊細で複雑なこの年代を誰もが通り過ぎている。
だからこそ、共感し、怖くなって、心がざわざわする。
その時の不安定さを知ってるからだろう。
そんな感覚を味わう稀有な作品だった。
レオを演じた子は、監督が電車の中で見つけたそうだ。
不安定で繊細な表情や印象的な眼差しは、演技ではなかった。それは、確かに演技以上のものだった。
身体の痛みが、隠していた心の痛みを想起させる…。
そして、レミは、レオより少し幼く、でも、より繊細で脆かった。
そんな危うさをやはり自然に演じた姿は見事としか言いようがない。
諍いの後、二人が流した涙は本物だった。
会いたい。
