1980年代のアメリカの現実が、少年目線で描かれており、人種差別や偏見について深く考えさせられる。
公立学校に通う白人ポールが、クラスの問題児である黒人少年と親しくなり、生きていく世界は複雑であることを知っていく話。世の中の不条理には、どう抗おうと立ち向かえない。大人の世界を知り、どうにもならないことを知っていく。
助けてくれる家族がいるだけ、ポールは黒人少年より幸運なのは間違いない。黒人少年には救いがないし、罪を被るあきらめ感が苦しかった。
「高潔であれ」という祖父の言葉。ポールはどんな生き方を選択していくのが正解なのか。
ラストは少年の未来に想いを馳せてしまった。