この映画には2つの側面がある。
1.現代において動物(家畜)の置かれた状況を示す物語
動物愛護という名目でサーカス団から解放されたはずが、何処に行っても人間の思うままに使われる。物理的に刃向かえない家畜の宿命。
一箇所だけ、後ろ脚で人間を蹴飛ばすシーンがあったな。あれは痛快だった。
2.人間の身勝手さを映し出す語り部としてのロバ
理不尽にも生活の為人間への従属を余儀なくされるロバと比べて、性欲や金銭欲・暴力など本能に従順な人間のなんと身勝手なことか。
双方の視点に長けた映画だと感じました。
ただ、娯楽性は無いね、、、あまりスコリモフスキにそこは期待しちゃいけないけど。