いち麦

ジェントルマンのいち麦のレビュー・感想・評価

ジェントルマン(2021年製作の映画)
3.0
もはや宿敵とも言うべき悪漢を何度も検挙しながらも法の下では裁くことができなかったキム検事に対して、チ・ヒョンスがとった策は悪漢の急所を突いていてなるほどとは思った。ただ、これで喜んでてはいけないのかも。度々目に余る違法な行いを為しておきながら金や特権力で法の裁きを躱す何処ぞの国の政治家たちが重なり、モヤモヤしたのも正直なところ…これでは法治国家とは言い難い。最後の着地まできても爽快感が少なかったのは、後出し的な見せ方にも原因があると思った。過去を振り返るような映像では、それが客観的なものではなく主観的であることを印象付けてくれないと見る側は騙されたようで不満を感じてしまう(確かに「アレ、おかしいな」と疑問に思った点はオチに繋がって納得はいったが)。それに、主人公チの計画した今回の策に仲間たちが手堅く結束し協力するのは何故か、もう少しドラマ描写があると熱くなれたかも知れない。
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