ストップモーションの温もりと、ドキュメンタリー風ドラマが融合した不思議な作品。下手したら虚構の粗がみえてしまいそうだが、あくまでネット投稿の動画を撮影している程なので、素朴なのがかえってリアリティーを生んでいる。
哲学的にみせ、よく考えるとたいしたことをしていないのは好みが分かれるかもしれない。
変な貝の生き物がしゃべっているから深くみえるが、中身はわりと凡庸である。むしろそのありきたりなことを、視点を変えることであたかも芸術的になっているように錯覚させる面白さなのだろう。
ネット社会の良し悪しについては表面的なテーマにみえるかもしれないが、その過剰さが本作が描きたいことではないだろう。どちらかというと、臆病にならずにすすめというのがマルセルへのメッセージだろうし。
