マリリンの死の真相に関しては諸説ありなので本作で語られる全部を鵜呑みにすることは出来ないが、エンターテイメントという華やかな銀幕の裏側で性的に搾取される人たちがいるのは今も問題視されていることなので、マリリンの時代にも黒川の手帖があったという証言は事実なんだろうなと推測します。
観客に、夢やときめきを与えてくれるスターたちが孤独や苦しみに苛まれながら亡くなることは、あまりに皮肉であってはならないこと。観客は、けっきょく蚊帳の外からスターの良いところだけを、陽の当たる部分だけを見させてもらっているのかという気持ちにもなり、切ない。誰かを推してる人ならわかると思うけど、限りある自分の時間に夢を与えてくれたひとには、だれだって幸せになってほしいじゃないですか。
スターも一人の人間、その尊厳が踏み躙られることなきエンタメ業界を今後の世界は作っていかなければならないと思う。