つるみん

ソウルの春のつるみんのレビュー・感想・評価

ソウルの春(2023年製作の映画)
4.0
1979年の軍事クーデター「12・12軍事反乱」を題材に、政権奪取を狙う新軍部勢力とこれに立ち向かう人々の緊迫した9時間を描いた善悪の戦い。

ファン・ジョンミン×チョン・ウソン。そして『アシュラ』の監督という伝説の再タッグ。
もうねこれを待ってた!って感じ。最悪のファン・ジョンミンがもう最高に痺れた。 どんどん狂っていくファン・ジョンミンと情熱で進むチョン・ウソンの闘い。2人の演技力がまあ素晴らしい。どっちに転がるか分からぬ攻防戦に終始緊張。

キム・ソンス監督はファン・ジョンミンをとことん狂った邪悪なキャラクターにさせるのが上手すぎる。あの笑いは一生忘れん。

内容自体はやはりある程度の歴史的知識が必要になるが、まあ無くてもこの迫力には圧倒されること間違いなし。秘密結社「ハナ会」については少し知っておくと良いかも。追記すると、よく韓国で映画化される「光州事件」(『タクシー運転手』『1987、ある闘いの真実』など)の少し前(厳密にいうと光州事件に至る過程)であり、イ・ビョンホン主演の『KCIA』の直後というポイントを抑えておけば、何となくこの流れが分かるだろう。

まあそれほど韓国の歴史において大変重要であり、映画化が出来るほどの興味深い題材である。
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