千年女優

ザリガニの鳴くところの千年女優のレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.0
1950年代。町外れのザリガニの鳴く湿地帯に住む少女で、生活に耐えかねて家族が次々いなくなっても母親の帰りを信じて「湿地の女」と蔑まれながら生き抜いてきたカイア。町の青年チェイス死亡事件が発生して容疑者として逮捕された彼女が、犯人確定のムードの中で裁判において自らの生い立ちを明らかにする様を描くミステリ映画です。

動物学者でもある女性作家ディーリア・オーウェンズによるデビュー作でNYタイムズのフィクション部門で25週連続でトップの記録を達成して世界中でも大ヒットしたベストセラーをオリヴィア・ニューマン監督で映画化した作品で、原作人気に新進気鋭のデイジー・エドガー=ジョーンズの主演も相まって一億ドルの興行収入を記録しました。

法廷ドラマでは定番の冤罪ものに現代的な社会における「偏見」をエッセンスに加え、そして何と言っても原作をベストセラーたらしめるツイストで締めくくります。それでもお話の大半は情緒過多なメロドラマで、それが見所のツイストをもチープで予見しやすいものとしていますが、雄大な自然描写で物語の弱さをカバーしている一作です。
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