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ストーリー・オブ・フィルム エピソード3. 世界中に現れた巨匠たちの1のレビュー・感想・評価

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今回のテーマは、ハリウッドの恋愛映画に対抗する映画たち(幻想的な作品とそれに反抗する傑作)

1920~30年代初頭は映画の黄金期であり、ハリウッドでも大量の映画が作られるが、それに呼応するようにハリウッド映画に反抗する作品が世界中で発表されていく

第1の反抗は、ハリウッドのロマンティックシネマに対して、映画は実験室という思想の元リアリズムの巨匠たちが反抗する

第2の反抗は印象主義に影響を受けたリアリズム(目の動きのように視点が動く

第3の反抗はドイツにおいて生まれた鏡の中のような表現主義(ex:カリガリ博士→ヒッチコックの下宿人などに影響を与える)

第2,第3の反抗は映像効果として、
印象主義においては「はかなさ」を
表現主義においては「不安感」を表現した

そしてその反抗の源泉には、1920年代の都会に潜む恐怖と詩情があった

そんな都会の中で描かれるスピード感と狂気を目の当たりして100年前に既に現代と同様の都会,資本主義への憔悴があった事に改めて衝撃を受けた。

そんな表現主義に反抗する第5の反抗が、ドイツ,フランスの美大上がりから生まれる(ダダイズム、A・カヴァルカンティは恋愛の形式を否定


そしてそもそもの形式すら拒否するのが第6の反抗である。(エイゼンシュタインなどのロシア監督

レーニンは映画は最も重要な芸術だ、と発言する


そして一方で1930~40年代に膨大な数の人が亡くなった日本において、償うかのように極めて人間主義の映画が生まれる(→小津安二郎

そこには、「諦念と失望」、「時とともに移りゆく"あわれ"」がある。

映像の美学と技巧
・カメラの位置を腰あたりに低くすることで、重心を捉えた動きを映す
・調和の取れた空間の映し方
・構図に与える一瞬の空虚=間
・レンズによって顔や空間の膨らみすぎを抑えた

溝口健二

小津,溝口が映画を作り出して2,30年後ハリウッドが彼らの偉業に気付く→映画史上最大の見落とし

そして1928年、映画はSOUNDの導入により根底から揺さぶられる。
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