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ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grillのjdのレビュー・感想・評価

4.8
オードラ・マクドナルドがスゴかった......。ほぼ一人芝居です

舞台をそのまま映像で撮っている作品

最初はビリーになりきったショーが続くのかと思っていました

歌を聞いただけで時代を感じることができます。高音の歌い方が特に耳に残り、素晴らしかったです

舞台上は1959年。観客席は現代。途中ビリーが客席に降りてきて時代が混じります

この瞬間から人間ドラマに切り替わります

客席から伝わる気まずい空気。それがスクリーンの前にいる僕にも伝染します。気づいたら入り込んでいました

観客は本物なのか俳優なのか......

オードラ・マクドナルドは15曲ほど歌いますが、トニー賞ではミュージカル部門でなく、演劇部門の主演女優賞をとっています

なんでだろう、と思っていましたが納得です

内容は重く、ビリーの悲惨な過去、黒人差別、ドラッグやアルコールの問題などツライです

ですがビリーの持つ明るさが中和してくれていて、不条理な出来事がすんなりと理解できます

なにより脚本と構成がすごく好きでした

舞台が好きな人にとくにオススメです。前知識なしに楽しめますが、多少調べたり、グリーンブックを見ておくと理解が深まると思います
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