カテリーナ

グッバイ・クルエル・ワールドのカテリーナのレビュー・感想・評価

3.5
誰かさんのテイストでコーティングされてるけど最後まで観て(後半くらい)
『GONIN』のように5人それぞれに
抱えた傷や焦燥思い通りにいかなさなどの
センチメンタル入ってるかなーっと考えた
(石井隆監督には及ばないけど)
監督の大森立嗣は『まほろ駅前多田便利軒』が一番好み もう一度見直したら
前回よりずっと良かった 見るたびに良さが発見できる スルメ映画
何が良いってキャスティングがピッタリハマってるしそれぞれのキャラクターの演出は完璧 ちゃんとその人生を生きてる 冬でもサンダル履きの行天の生地の薄いシャツをきたきり雀だし
ハイシーは染めた金髪が伸びて根元は黒のままのヘアースタイル
見た目の綺麗さより人物のライフスタイルを優先してる
原作の三浦しをんを読み漁ってた頃の公開だったのでとても楽しみにしていた 
当時の私は80点をつけてる 今は間違いなくそれ以上の点数をつけるけどね

「多田さん、ラーメン屋さんの件がわからないのですが、」テンポがまったりな
凪子さんを演じる本上まなみの不思議そうな顔が可笑しかった

奥野瑛太と大森南朋が突き抜けて良かった
奥野瑛太の登場した瞬間から危なそうな雰囲気プンプンで猫背で据わってる目で人を覗き込むように話すところとか一番この作品の中でクズだった
斎藤工の記号的なクズを撒き散らした
後で大森南朋の
正しくきちんと耳に届く日本語が気持ちよかった
斎藤工は大好きだけど今作はあまりにも
お芝居が通り一遍の悪人にしか私の眼には映らなくて非常に残念
奥野瑛太のような身体の芯に宿る狂気を表現できなかった

北野武に認められた西島秀俊と大森南朋の
ふたりが彼の作品でどんな芝居をするか
今から楽しみなのだ
カテリーナ

カテリーナ