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ハッチング―孵化―のyamabbeyのレビュー・感想・評価

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)
3.7
色々な怖さが入り混じっていて、なかなか深いホラー映画だった。

カラスのものだと思っていた卵から孵化した謎の生き物が、まず気持ち悪くて怖い。デカいし、グロいし、臭いし。。。

で、その生き物が、主人公の少女を親と思ってか、近所の犬を殺して枕もとに持って来るは、雛への口移しを模してか少女のゲロしか食べないは、少女の邪魔/敵と思われる対象を次々攻撃するは、ありがた迷惑のオンパレード。

徐々にその生き物が形を変え、少女と心身ともにリンクしていくのも怖いだけでなく、最後の結末で少女とその生き物がどうなったかの考察しがいがある。

その生き物が中心のホラーでありつつも、少女の母親のコントロールフリーク度合いや自分中心主義もヒトコワとしてかなりどぎつく、その生き物をある意味超えた怖さがあった。

少女のカラスへ同情と殺害シーン、その生き物への母性本能の発揮、心の闇の部分がその生き物に反映される様見どころ。

主人公の少女の無垢な表情と虚ろな表情のギャップや、母親のクソさを自然に表現する言動など、俳優陣の演技も光っていて、なかなか掘り出し物な作品だった。
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