コーディー

ザ・ホエールのコーディーのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
4.0
薄暗い部屋で心も体も動けなくなり自分の為の改善にも関心が無くなったチャーリー。そんな彼の元へ思いやり、宗教、怒りで関わろうとする訪問者達との関係が徐々に苦悩を照らしていく…
勝手だけど罪や後悔、死さえも受容れて漸く認識できる〝救い〟その美しさに心震えた。凄く好き!

制御不能になったチャーリーがなぜ治療を拒むのか、訪問者に対し〝悍ましい?〟と問いかける真意など咀嚼の難しさもあったけど、抵抗や改善ではなく272キロの不自由や苦痛に喘ぎながら贖罪している様な…鯨を制することの無意味。その境地に達した彼の表情、末路で輝くフレイザーの演技に圧倒された。

ほぼ部屋の中で動かない主人公、更にアスペクト比4:3が窮屈感を強調するかと思いきや、意外と画的にも飽きないし、早々に特殊メイク越しではない生身の感情に導いてくれるチャーリーの人間味やトイレに行くだけで動的な生活w訪問者の葛藤や闘いなども見応えがあった。
特にホン・チャウが素晴らしい!