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ドント・ウォーリー・ダーリンのesのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます


男性達の見栄の為に旧時代に押し籠められた女性達の解放の話。

自分が今まで望まない役を与えられていた事に気付いた女性、何も知らず疑問にも思わない女性、この異常さに気付いてしまいいち早く声を上げるも排除されてしまう女性、気付きながらも現状に満足している女性、全てを調整しながら変化の時を辛抱強く待っていた女性。

男性がこの世界で死ねばパートナーである女性は殺されてしまう。この世界ではどこまでも付属品である彼女達。逆に女性は死んでもパートナーの希望があれば生き返らされる。代替可能品。
グロテスクだが、現実に起きていたし今もなお起きている。
ラストの息を吹き返した音に全てが詰まっていると思う。

アリス、バーニー、ジャックという名前からして不思議の国のアリスに因んでいる為か、ラストで赤い服の兵隊的な男達が追いかけてくるシーンがある。何かを思い起こすと思ったらインセプションの最後の雪山だった。用意された夢の世界という事で何かしら影響は受けているのかもしれない。
カリスマ男のフランクと妻のシェリーは恐らく怪物を生み出したフランケンシュタイン博士と、その物語を生み出した作者メアリー・シェリーを意識しているのだろう。

この手の作品にフローレンス・ピューを使いたくなる気持ちは分かるし良い演技をしているのだけれど、この役に関してはもっと適任がいたような気がする。

自分の好みではないが、女性の脚本家の作品を女優出身の女性監督が撮るという事に意義を感じる。
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