カテリーナ

マイ・ブロークン・マリコのカテリーナのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.7
永野芽郁演じるしーちゃんは
小学生の頃からの親友
マリコが亡くなったことを
定食屋のテレビのニュースで知る
乱れたポニーテールシワだらけの
ワイシャツを直そうともせずガニ股で
ラーメンを啜る手が止まる
その時の彼女の横顔から
読み取れる情報は多い

しーちゃんにとってマリコは
特別な友人で
最近は疎遠になっていた
窓から飛び降りて亡くなったという報道は
紛れもなく自死を表してる
何故?
彼女の表情から
理由は?相談も無しに?
手紙くらい描いてくれてもいいのに
と、途方もない喪失感に覆われた表情

カメラはそんなしーちゃんこと
永野芽郁の顔ばかり追いかける
最後までそれは貫かれて
可愛い筈の永野芽郁に若干飽きてくる
もう少し俯瞰で身体全体で芝居する永野芽郁を増やしても良いのではないか?
身体全体で演技するのは
謎の男を演じた窪田正孝だな
コイツは何を演っても上手い
漫画のままの変な通りすがりの男を
そのまま体現していた
特にふたりの別れの場面での
しーちゃんのあっさりした
あるアクションに対する
声にならない窪田正孝のリアクションは
最高だった

前半幼少期のマリコを演じた子役がうま過ぎて本当に親に虐待されてるから
お願いだから自治会の民生委員に相談してと本気で願った
それに付け加えて仕草や言葉何より
もったりした話し方が可愛いらしくて
しーちゃんがマリコを守ってやりたい気持ちがよくわかる
小学生の我が娘に怒声を浴びせ
痣を絶やす事なく乱暴する
若い頃の演じた役柄と真逆の最低の親父を演じた尾美としのりは脇役として存在感際立ってたし、しーちゃんの携帯の登録に
クソ上司と表記されるクソ上司も良い味だしてた クソだけど言葉の端々で優しさが滲むんだよね

しーちゃんのアイデンティティが
限りなくLGBTQに近いブルーだったのも
窪田正孝の最後のリアクションが
答えを提示してる気がして
考え過ぎかなー?
カテリーナ

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