Ryan

ポスト・モーテム 遺体写真家トーマスのRyanのレビュー・感想・評価

3.6
歴史と悪霊


ストーリー
第一次世界大戦後、戦争と疫病で荒廃した村を訪れた遺体写真家が悪霊たちと対決するさまを描いている


主演 ビクトルクレム
監督 ピーターベルゲンディ


アカデミーハンガリー代表作品
怖い
ホラー版レオン
一歩間違えばギャグになってしまう要素をハンガリーの歴史を振り返る様に描く様は必見。
スペイン風邪や戦争、政権交代以前のハンガリーでホラー映画は、ブルジョア的であるとの理由で迫害され、製作されなかったと語る監督。
これは映画的なホラーではなく抑圧され様々な要因によって苦しんだ人達の物語。
日本で例えるなら疫病や飢餓などで苦しんだ人々が鬼や妖怪に例えたのとにているだろう。
物語自体もとても難しくてわかりづらい。
決して多くを語らないが画で見せる怖さ
そして、堂々と行動する幽霊の是非を問う。

役者も素晴らしく、エレガントに喋る言葉に細いタバコを蒸す姿は優雅。
この物語に大事な要因だろう。
一生懸命幽霊に起因する謎や共通点を探そうとするがそれも虚しく、まるで文化の違いによってここまでホラーの意味合いが違うのだと勉強にすらなる。

キャラクタートーマスはきっとオッドトーマスシリーズの主役を意識しているのだろう。

ホラー映画だと観ると面白く感じるが人間の戦った歴史の上にあるホラーだと思えばかなり面白く怖い作品だろう。
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