ペコリンゴ

あんたのペコリンゴのレビュー・感想・評価

あんた(2022年製作の映画)
3.7
記録。
「ハグ、する?」

WOWOWによって企画された「アクターズ・ショート・フィルム」第二弾の中の一作。監督・脚本を務めたのは千葉雄大。

お互いを「あんた」と呼び合い、キャンプを楽しむ男(千葉雄大)と女(伊藤沙莉)。あらすじの言葉を借りれば「恋人でもなく、友人というには軽すぎ、でも家族にはなれない」関係性。そんな2人の色んな感情が入り混じる繊細な会話劇がメイン。

「アクターズ〜」の名前どおり、企画で監督を務めるのは俳優であり、第二弾となる今回は千葉雄大、青柳翔、玉城ティナ、永山瑛太、前田敦子の5人。

なかでもこの作品は今年のSSFFジャパン部門にノミネートされ、主演した伊藤沙莉がベストアクターアワードを受賞。彼女の自然で飾り気がない一方で物凄く心抉ってくるお芝居に拍手です。

作品の感想としては、分かる、分かるんだけど、千葉雄大扮する男がとりあえず面倒臭ぇ。。

オネエな設定だと思うんですが、そうとも言い切れない感(多分意図的)があって、女のこと好きは好きなんでしょうけどその意味合いについては結構モヤりました。どっちにしたって面倒臭いんですが。

とはいえ、印象的な対比やメタ的な演出など目を引く要素が盛り込まれてますし、演者の演技にも惹き込まれます。

切ないようで、それでも逞しさがあって。
そんなラストカットがとても印象的な良き25分でした。