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ミュンヘン:戦火燃ゆる前にのlynnのレビュー・感想・評価

4.2
1938年ミュンヘン会談。
旧友であるイギリス総理秘書官レガトとドイツ外交官ポールがナチスの極秘情報や政治策略に巻き込まれながら戦争回避のために奔走するというストーリー。

こんなに緊張感が強くて疲れるのに、少しも見逃したくない作品は久し振りかも。
一言も逃したくなかった。
ジョージ•マッケイのあの肉体がありながら派手なアクションはなく、一定のトーンで緊迫感があるのにまるで中弛みなし。
政治的解決を目指すレガトと暗殺さえ試みようとするポール、2人の大学時代の話や仲違いしたところもじわじわと効いてくる。
なによりこの2人が巧すぎる。
チェンバレンの失敗と言われた時代をこういう解釈にするというのは、なかなか賛否がありそうです。
しかし、このキャラクター達が発する台詞や行動をみていると
避けられない戦争への姿勢が苦しくさせる。
『生きる時代は選べないが
どう生きるかは選択できる
戦う必要がある』

『誰かの助けを待てと?
希望は持つべきではない』

守護天使が持っていた書類のシーンでかかった音楽が今までとは一変して張り付けた空気が解けたように思えましたが、
帰宅し妻に戦争への思いを口にしたレガトに涙しました。
戦争が始まる覚悟と争いがなくなる未来を作ろうと思い馳せたのかもしれませんね。
国が違いながら、それでも互いに自国を棄てない2人が生きて再会して欲しいと願います。
友情っていいよね。
落ち着いたらもう1度観よう
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