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生きる LIVINGのkissenger800のレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
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ビル・ナイにまでは届かないとはいえ、大別すればそっち側に分類されるお年頃だから一種の敬老ポルノとして気持ちよくなろうと思えばなれる観客なんですけど、少なくとも世界の残り半分はそうじゃない側じゃん?なのにこんなウェットな語りにウケるの、ちょっと疲れすぎでは? 世界?
みたいな感想が出まして-それは140年前のロシアの文豪が描いた物語が含有していた普遍性がポップに希釈されているってことなんでしょうけど-もうちょっと、今ならではの切り口を(この作品が提示したものとは違う形に)期待してたっぽい。あけすけに言うなら、オリジナルの暗さのほうが今の世の中に合ってないか、ぐらいですね。

なお本作の設定は1953年だそうですが、当時のUK、まだインド移民よりポーランド移民のほうが多い時代らしく、そういう時代を懐かしむムーブ、あるんですかね。(カズオ・イシグロが家族と共に渡英した時代、ということなんだと思うけど、当時のUK国民のうち海外で生まれたひとの割合は4%強。今日16%、ちなみに今の日本は2%ですって)
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