レナ

生きる LIVINGのレナのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.7
試写会に参加しました。
黒澤明の原作も鑑賞して比べると、基本的に原作に忠実ながら、さすがKazuo Ishiguro、同僚を観客の視点として配置する点やMargaretのキャラクターを多少変化させる点など、すごくバランスの良い脚本だなと感じた。公園で待っている子供の例え、原作には意外となくて詩的で印象的な台詞だった。
そしてBill Nighyの演技が芯のある英国紳士という感じでまた頼りなさげな原作のキャラクターとは異なっていたが、それもプラスだったように思う。
全体的に優しいタッチで申し分ないのだけれど、ただ何か一つ物足りなさがあった。原作は日本人らしさ、昔の映画らしさと慎ましい演出がマッチしていたが、現代で作り直すにあたってもう少しドラマチックに改変しても良かったのかなと思った(しかしMargaretの涙は逆に浮いていた)。
息子に言い出そうとするシーンの息子のポンコツ感、気まずさが好きだった。
レナ

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