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すずめの戸締まりのwksgknchのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

閉じ師という存在が古来より災いを鎮めていたという設定。
超常現象が一人の、二人の手に握られる。いわゆるセカイ系。

すずめの主題歌「すずめ」を歌った十明の声が印象的で良かった。
純粋に劇中歌という感じがした。

宇多丸さんが仰っていた、オープニングタイトルの出方、確かに良かった、ひとしきり今回の物語を紹介したあとで、あのタイミングで、バーンとタイトル、かっこよかったよ、5億点。

すずめが草太に変わって閉じながら人に出会って、助けられていくロードムービー的物語が前2作とは違って、閉じた関係から開いたのは良かったし、彼らがすずめをハグするシーンは良かった、挨拶でも握手でもなく、ハグをする、ということ、これはすずめの体験から引用しているのだと思うけど。最後に同じルートで戻っていき、後日談を見せたのも良かった。

一子相伝な感じなのに、すずめがそんな簡単に大役を担えるのか?という疑問はあれど。。。

もう一つ、前作なんかもそうだけど、総じて「親」という存在が希薄、親代わりが登場こそするが、親子関係はあまり描かれない、子が親によって救われない、ということに気付かされた。


終盤の流れはやや大雑把というか、閉じている世界が存在している意味が彼らにのみ関係していて、皆が行き着く場所なのか、思い出を依代にした世界なのか、ちょっとわかりづらかった。ラストへ向けて世界観が転倒し、やはりすずめが大きな決断をし、序盤の展開が紐解かれ、回収されていく。

3.11を俎上に載せた新海誠監督、関係者の勇気は素晴らしいと思う。
欧米では1年、2年で災害や事件を題材にした映画が作られるけど、日本ではそうはいかない、当事者の気持ちを考えると複雑だけど、カタチは何であれ、忘れてはいけない記憶としての意味もあると思うので、英断だったと思う。

その一番のポイントが東北の風景を綺麗だと褒めたときのすずめの明らかな嫌悪感、温度差を見せたこと。とはいえこのことについて後に何か起きるかというと何もないのだが。

気になった点。
必ず3回呼ぶ、交互に呼びかけあう、というのがどうしても置いてかれてしまう、そこでつまずいてしまった。
これまでのPVの展開が無かったのは良かった、個人的に。

面白かったです。
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