よしまる

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのよしまるのレビュー・感想・評価

3.5
 映画をセレクトする時にハマりそうなキーワードが3つあればとりあえず観てみる。このたびはA24、マルチバース、アベンジャーズのルッソ兄弟。え、3つ揃っても何にも想像出来ないんですけど?
そこに加わったのがアカデミー賞7部門?

 頭にたくさんの??を浮かべながら、そうは言っても面白いんだろ?と劇場へ。

結果、ノリについて行かれへんまま置いてけぼりを食らってしまった。やってることもやりたいことも、たぶん、わかる。ただ、自分には肝心なところが合わなかった。いや、観てる時は楽しかったのだ。
特に編集の妙。テーマをしっかり据えながらあっちこっちブレずに飛び回るのは映画としてほんとに楽しい。むしろ見応えはじゅうぶんと言って差し支えない。


以下若干ネタバレっぽいけど多分大丈夫な感想。

主役はミシェルヨー。もう還暦という彼女の七変化を楽しめるかどうか?無理でしたw
多次元宇宙を行き来しながら確かめ合う愛の物語。でもこれ、どう考えても主役はキーホイクアンじゃね?
おそらくオスカーの会場でのスナップかと思うのだけれど、X(当時まだTwitter)で見たハリソン・フォードとのツーショット。インディとショーティの再会にはちょっと心を揺さぶられた。インディ最新作にも出てくれるよな?!と俄然期待してしまったほど。

そんな彼が、まるで不遜な態度を取り悪役なのかトラブルメーカーなのかと物語を掻き回しつつも、結局は宇宙を股に掛けた大きな愛というテーマに帰結する。

だから大枠はいいのだ。話の骨子がしっかりしてさえいれば基本的に面白いはずなのだ。なのにこの製作や監督たちは悪戯に過ぎる。アジア系をメインに据え、ゲロやらクソやらやりたい放題、多様性を盾に何でもありの世界観。これがいまのアメリカが求めていることなのか、それともアカデミーのお偉いさん達が持っていきたい方向なのか?今年はバビロンやバービーでも感じたけれど、これがインテリさんたちの現在届けたいものなのか?
うーむ、逆に民衆がトランプを支持したくなるのもわかる気がする笑笑

さてこの壮大なSFドラマ、昨今のハリウッド大作が2億や3億$あたりまえという時代になんと1200万$で製作されている。もちろん投資する人が居なければお金は掛けられないわけだからあたりまえなのだけれど、それにしてもアイデア1発でもこういう作りは出来るのだなあとそっちに感心してしまった。
ちなみに1200万$というと、大谷くんの10年契約で考えると給料の2ヶ月分ww