さすらいの旅人

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

3.5
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アカデミー賞7部門受賞の映画であるが、私に言わせれば「何じゃこれ」系の映画である。
要するにテーマとしては移民家族の多様性を含めた家族愛の物語だ。税務署に行くまでの物語とラストの物語を結べばそれで終わりの単純な話なのだが…。それにマルチバース世界を絡めて、カンフーアクションをこれでもかと見せる。場面は目まぐるしく変わり、派手なコスチュームの登場人物も異なる別人として出現する。そして何が何だか訳わからずの世界が展開する。

確かに映像的には面白く、見たこともないぶっ飛んだ世界観はいい。そして、ファンタジー的な異色作としての評価はできると思う。しかし、アカデミー賞を獲るほどの名作かと言うと私は疑問である。観客は心を揺さぶる感動が欲しいのだ。好みにもよるが、じっくりと見せてくれる人間ドラマが私は好きだ。まあ、映画の評価は賛否両論がつきものであるが…。

本作を観て私が嬉しかったのは、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」や「グーニーズ」の天才子役として有名なキー・ホイ・クァンが出演している事だ。すっかり中年になっているが、アクションの切れなど良かった。まさか、この映画で出会えるとは夢にも思わなかった。また、それが映画の醍醐味でもある。