ちーくん

気狂いピエロ 2Kレストア版のちーくんのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ 2Kレストア版(1965年製作の映画)
3.8
ジャン=リュック・ゴダール作品。本作は一度鑑賞したことのある作品で、その時は何も分からずにただただなんか不思議で面白いなぁという印象でしたが、後に北野武監督が本作の事について語っているのをサイトで観たのでもう一回しっかりと観るべく映画館に行きました。もう本当に自分は気狂いなほど北野武監督の信者で、映画を観る上での一つのベースとなっているので、北野映画との比較という視点でも観ていました。観てみると確かに直接的な影響は受けてなさそうなものの、色のコントラストであったり「海」を映した画などが、「ソナチネ」、「HANABI」、「Dolls」に出てくるシーンなどを少し彷彿とするものがありました。特に「Dolls」なんかは全体を通した作りで色濃く出ているなと思う。(あくまで個人的な意見ですからね笑。)本作の作りとしては、これまた北野武監督のウィキに書いてある言葉を丸パクリしますが笑、「究極の映画とは、10枚の写真だけで構成される映画であり、回っているフィルムを止めた時に二時間という膨大なコマの中の1コマが美しいというのが理想」これは本作にピッタリの表現でまさに言い得て妙だと思う。逆にだからこそ共感するところがあったのかなとも思う。でもやっぱり自分的には映像先行型で内容がとっ散らかってるし追うのも野暮だとはなんとなく分かっているんですが、映像とストーリーが連なって全てが完璧な「ソナチネ」と比べちゃうとやはり全然違うとなるし、手放しに面白いとも言えないかな。でもやはり斬新な映画ではあると今現在観ても思いますし、特に50年以上前ではもっとだったんじゃないかなと思います。興味深い作品と言うのが一番正しいのかもしれませんね。
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